TOP > 対中ビジネスコラム > Q2.中国ビジネスは「行政部門との関係を良好に保つことが重要」と聞くが、
どのようにして良好な関係を維持したらよいだろうか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
「関係を良好に保つ」、つまり「人付き合いが得意」という日本人はもともとあまり多くないですよね。
特に中国に駐在赴任するような製造業の技術専門家の人たちほど、人付き合いや自己表現が不得意で、社交性に欠ける性格の方が多いように思います。
ところが、欧米だけでなく、台湾、韓国の人たちも、このような人間関係コントロール術には非常に長けた人たちが多いようです。日本人なら一人で深刻に頭を抱えてしまうような問題でも、彼らは職場で同僚や部下たちとフランクに話し合うようです。
日本人に一番欠けているのは、そんな気軽な、対人コミュニケーション能力ではないかと思われます。
13億人以上の人口を抱える中国でのビジネスは、何をするにも狭き門だらけで、それらの難関を突破するためには、人間関係をうまく利用することがもっとも効率的です。
それも、
(1)一方的にただ利用されるだけでなく、利用しながら利用され、お互いにハッピーであること、
(2)人間関係におぼれることなくしっかりとビジネスを進めることのできる冷静なコントロール能力、
これが中国ビジネスをスムースに進めることができる素質です。
中国契約法はじめ、多くの行政法にも定められているように、中国ビジネスでは至るところに政府の許認可や登記が義務付けられています。
各地の条例や通達に至っては無数に存在し、しかも一定せず、常にどんどん変化していきます。
そんな環境で安定したビジネス環境を維持するためには、地域の行政部門とのあいだに「持ちつ持たれつ」の良い関係を維持し、いろいろな情報を与えたり、貰ったりして、いざというときにはわが身を守ってもらうことにあります。
たとえば、多くの台湾、韓国企業では、何も用事は無くても毎月一回は政府要人を食事にご招待する、窓口担当者は役所に頻繁に顔を出して親密な関係を維持する、といった努力を怠らないそうです。たまには海外出張や視察の機会をつくってあげる、あるいは子弟の海外留学の世話を引き受けてあげる、といった工夫も欠かさないそうです。
手間も暇も費用もかかり、多少「やりすぎ」な印象も否めませんが、中国ビジネスではこういった「公務渉外」も「必要経費」と考えたほうがよさそうですね。
コミュニケーション能力の問題は相手だけにあるのではありません。常に自分の語学力と会話能力をブラッシュ・アップしておきましょう。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
チャイナ・インフォメーションHP ブログ
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「仕事の中国語 速習パック」(株式会社アルク) 等 他多数
次回6月は
「労働集約型の産業は今からでも中国に進出できるだろうか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!