TOP > 対中ビジネスコラム > Q11.知人の中国人から投資話を持ちかけられた。どこまで信用できるだろうか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
日本人は人に「任せる」ということをよく言いますが、これはある意味、とても都合のよい言葉です。
成功すれば、「任せた私が正しかった」、失敗すれば、「任せた相手が悪かった」ということで、どちらにしても結果的に自分の責任を問われないからです。
それも、「運を天に任せる」というように、すべてを本当に相手に任せられればのことでしょうが、現実には「任せた」と言いながら、後部座席から多くの注文を出したり、「これではだめだ」とか修正命令や疑問ばかりを出して何も決断しようとない日本人経営者が少なくないのも事実です。
要は失敗を恐れるあまり、準備段階で「石橋をたたきすぎて、壊してしまう日本人が多い」と言う中国人経営者もいます。
中国商人の多くがそうであるように、中国ビジネスは「不信から出発する」ことが基本のように思われます。
投資話のひとつひとつ裏をとりながら、相手の真意を探るやり方です。
世界にたくさんある会社のなかから、なぜ自分に声を掛けてきたのか、そんな話が本当に存在するのか、ひとつひとつ事実を確認することです。
また、投資リスクとしてどんな危険があるのか、投資利益の回収はどのように保証されているのか、というような点です。そのうえで押さえるべきポイントを間違えてはいけません。
あえて申し上げれば、中国のような多民族の、過渡期にある大陸国家は、ひとつのまとまった国というよりも、いわば無数の小宇宙のモザイク的な集合体のような存在であり、何が基準(スタンダード)か、また客観的にリスクの大小を測物差しすらもないと言えます。
リスクがあるからこそ利益があるわけで、法律や規定はあっても、実際にやってみなければわからないということもたくさんあります。
ポイントは、「準備は周到に、判断は大胆に、実行は迅速に」ということです。
ただし、当方の呈する疑問に対して、「中国では法律や契約など役に立たない」とか、「個人的な関係があれば何でもできる」という回答を示す相手には要注意です。
言い換えれば、そのような人物には問題解決能力が無い、と言ってよいでしょう。
もうひとつ、インチキなコンサルタントかどうかを見分けることのできる決定的な「決め手」があります。
それは「中国語を読み、書き、話せるか」という点です。
中国では、ビジネス情報はじめすべての情報が中国語で入ってきます。中国語が読解できない人に、中国情報収集力は期待できません。また、現地の商談も経営管理も生産管理も、すべて中国人相手の中国語会話です。
中国語会話もできないコンサルタントに、交渉力も管理力も指導力もあろうはずがありません。
以上は当然のことですが、意外に見落としがちなポイントです。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
{チャイナ・インフォメーションHP}{http://www.geocities.jp/chinainformation21/} {ブログ}{http://blog.explore.ne.jp/kakehi/index.php}
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「{仕事の中国語 速習パック}{http://shop.alc.co.jp/course/lb/?rfcd=SA_c_china_top_04}」(株式会社アルク) 等 他多数
次回ついに最終回!
「Q12.現地雇用の中国人スタッフのモチべーションを引き出したい。
どうすれば彼らの意欲を引き出せばよいだろうか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!