TOP > 対中ビジネスコラム > Q3.労働集約型の産業は今からでも中国に進出できるだろうか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
IMF統計によると、中国は今や世界最大の外貨準備国で、日本の二倍に相当する2兆米ドル近い外貨準備を持っています。
かつては外貨獲得のために労働集約的な産業を奨励し、輸出を振興してきましたが、現在では外貨獲得よりも、為替相場の安定、雇用確保へと政策の方向を転換しつつあります。
たとえば、繊維や軽工業品の労働集約型工場の多い広東省では、2008年末から労働集約型の低付加価値業種の進出を禁止する政策をとり始めています。
そういった業種は、同時に低賃金の労働環境の悪い職場で、環境破壊も進めている諸悪の根源とまでみなされている節もあり、最近では、あまり歓迎されていません。
外資優遇税制はすでに廃止されましたが、外資・内資を問わず、ハイテク企業や省エネ・資源節約型企業に対する優遇措置は引き続き残されました。
その一方で中国政府は、そういった労働集約型の工場を雇用創出と地域経済振興のために積極的に内陸部に移転させようとしています。
中西部や東北などの内陸部では、今では沿海部では廃止されてしまった外資企業優遇税制などがいまだに存続していて、中西部内陸部への投資奨励業種リストも全国版とは別に、特別に制定されています。
進出する企業側にしても、安い人件費や優遇税制などの低コストメリット、市場開拓者としてのメリットを期待することができます。
沿海部ではすでに立地条件を失ってしまった労働集約的産業でも、内陸部開発という側面においては、まだまだ歓迎される業種といえるでしよう。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
チャイナ・インフォメーションHP ブログ
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「仕事の中国語 速習パック」(株式会社アルク) 等 他多数
次回7月は
「中国現地で生産した製品を中国現地で販売したいが、どのように内販を展開したらよいだろうか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!