TOP > 対中ビジネスコラム > Q4.中国現地で生産した製品を中国現地で販売したいが、どのように内販を展開したらよい だろうか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
現在の法律では、中国で生産した製品も、海外から輸入した製品も、外資企業は中国市場で販売することが認められています。
以前は原則不可能だった、外資による貿易会社、国内卸売、小売販売会社の設立も、200l年のWTO加盟以来、定められた手続きを踏んで正式に認められるようになりました。
かつてはヤオハンの失敗など、「中国マーケットは難しい」と言われていましたが、今では日本の大手有名スーパー、コンビニ・チェーン店やファスト・フード店も、都市部ではまったく珍しくない、普通の存在になりました。
このように、法律制度的にはほぼクリアーされたものの、やはり外国の、しかも大陸規模の大規模なマーケットですから、日本とまったく同じように営業展開していたのでは必ず失敗します。
中国で確固とした流通販売ルートを持つためには、中国の商道徳、習慣や伝統制度に親しみ、中国市場に融和し、中国独特の様々な市場リスクに対する適切な対処をこらすことが必要です。
中国市場販売に伴うリスクの代表的なものとしては、一般に①代金回収リスク、②コピー品販売リスク、③製造物(PL)責任、④増値税の税務の四つの問題点をあげることができます。
日本では、「信用」は空気や水と同じくタダで当然の物と思われがちですが、一歩日本を出れば、それらは大きなリスク(コスト)となります。
日本製は品質がよく、最初はよく売れたとしても、こういった「チャイナ・リスク」への対策をないがしろにしていると、商売は長くは続かなくなります。
まずは、アンテナショップを主たるランドマーク地域にいくつか設置して、現地出身の有能なスタッフに歩合制で販売競争させてみるのも良いでしょう。
あるいは、当社製品だけを扱ってもらう代理店を各地に設置し、成績の良い店から直接、資本金を投下してグループ子会社に加えていくというやり方もひとつの方法だと思います。
逆に、絶対にやってはいけないことは「飛び込み営業」、「信用掛売り」、「無償の委託在庫」、「押し売り販売」などといったリスクの高い営業です。
何よりも、まずは中国市場マーケティングにより「売れる商品」企画にトライし、広い大陸のマーケット・セグメンテーションと効率的な拠点網作り、絞り込んだ顧客層に対する個別与信管理を怠らず、忍耐強く実績を積み重ねていく努力が必要です。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
チャイナ・インフォメーションHP ブログ
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「仕事の中国語 速習パック」(株式会社アルク) 等 他多数
次回8月は
「Q5.中国の国内販売では売掛金の回収はどのように行われているだろうか?確実に代金回収のためにはどのようなところに注意すべきだろうか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!