TOP > 対中ビジネスコラム > Q6.日本語が堪能で有能な中国人を雇用したいが、どのように人材を探したらよいか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
そのようなニーズはたくさんありますね。
その結果として、日本語のできる人材はすぐに「引っ張りだこ」となってしまい、見つかりにくく、同時に高給となっているのが現実です。
その一方で、日本語が堪能というので雇ってみたら、片言の挨拶もろくにできなかった、日本語の堪能な通訳が当方の意向を無視してどんどん勝手に話を進めてしまい、ひどい目にあった、とか、突然出張中に失踪してしまったとか、という話も昔から後を絶ちません。
まずは、人柄、言語、出身地、身元、性格や才能をよく見て、業務に必要な資格や技能を持っているか、仕事ヘの適性はどうか、過去の経験、実績などから総合的に判断すべきでしょう。
まじめで優秀な人材であれば、採用して半年もしないあいだに日本語はすぐ流暢に話せるようになります。
日本語ができることだけを最優先させると、あまり良い結果には結びつかないようです。
もうひとつのポイントは、中国よりも日本で人材を探したほうが、ヒットする確率も高いということです。
ビジネス経験の無い現地の学生や、生き馬の眼を抜く「やり手」の現地ビジネスマンよりも、日本に留学しているまじめな中国人学生や先生のほうが、正確かつ誠実に仕事をこなす人が多いようです。
日本で採用して、日本で必要な資格や技能を修得させ、日本本社に仲間の友人、知人を増やしたうえで中国に派遣すれば、転職のリスクも無く、本社のためにがんばって活躍してくれる人材が多いように思います。
良い人材を見つけるためには、情報網を高く張り、足しげく積極的に探し、これはと思う人物に出会ったらこまめにフォローする努力が必要です。
優秀な人材は、面接の場のその場で確保しなければ、もう次はありません。
彼らは遠くから旅費を負担してきているわけですから、その場で明確な回答を出すか、次回以降招待扱いとする配慮も必要です。
ちなみに、「日系企業渡り鳥」とよばれる人たちも存在します。
とくに、日本語ができる会計担当者は高給で引き抜かれる可能性が高いため、最初からそれを狙って日系企業を転々として荒稼ぎすることだけを目的とする人たちです。
数ヶ月の勤務でろくな仕事もせずに、なかには不正経理などのトラブルを起こして転職していくケースもあり、日本語が堪能、というだけでは、やはり注意が必要です。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
チャイナ・インフォメーションHP ブログ
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「仕事の中国語 速習パック」(株式会社アルク) 等 他多数
次回10月は
「Q6.現地採用の中国人スタッフを解雇する際にはどのようなことに気をつければよいか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!