TOP > 対中ビジネスコラム > Q9.中国の富裕層を対象にした商品を販売したい。どのように販路を開拓すればよいだろうか?
【ビジネスで1番よく使う中国語Eメール&SNS】
2021年9月発行
中国語でEメールを書くとき、SNSで交流するときにそばに置いておきたい一冊。
中国には「爆富族」、「金領族」、「金飯椀」などと呼ばれる大金持ちたちがいます。
彼らのなかには自家用ジェットに乗り、純金の携帯電話を使う人たちもいます。
このような富豪たちは沿海都市部だけでなく、内陸都市部にもいます。
割合的には少なくても、分母が大きいので絶対的人数は相当数がおり、沿海都市部はすでに飽和状態で競争が激烈でも、内陸都市部においては、まだこれから富裕層に対する「開拓者利益」に期待することもできるでしょう。
過去、中国に進出した日系メーカーたちが主に現地販売の対象顧客層としてきたのは、都市部に暮らす中間所得者層ですが、なかには自家用車や高級化粧品といった富裕層相手専門のビジネスで成功している日系企業もあります。
彼らの過去の営業経験は決して平坦なものではなく、独自の物流販売ルートを構築するまで多くの試行錯誤と苦労を重ねてきました。
中国市場で高級商品がどのような需要目的で買われ、どのように流通しているのかというマーケティング調査も行われています。
その結果を見ると、富裕層向けの高級品の需要は自家用よりも、主に贈答用が多く、個人よりも、主に企業で購入される傾向が強いようです。
たとえば、香港などでも同じですが、中国人は個人用乗用車を購入する目的で会社を利用します。
維持費は会社経費で落とし、駐車場は会社の施設を使い、社員(役員)が交代すれば、非課税で譲渡(売買)・相続もできます。
また、会社が車をタクシー会社や運転手個人に貸して、利益回収するケースもあります。
中国の街を走る多くの車は、経費も税金もすべて会社経費で落としながら、経営者が会社の車を、役人が公用車を、軍人が軍用車を自家用に使いまわしている姿です。
高級衣類、化粧品にいたっては、その多くが贈答用といわれます。
人間関係社会の中国ですから、もともと接待贈答費が生活費に占める割合は日本人と比較にならないほど大きく、贈答品の価値が相手に対する尊敬度、依頼の実現難易度を示すバロメーターとも見られるだけに、高級品に対する需要がエスカレートしていくわけです。
ですから表面だけ見ていたのでは、真のユーザー、顧客がどこにいるのか見えてきません。
このような特殊な需要販路開拓に日本人が対応するのは相当な困難があります。
営業販売の指導と管理は日本人派遣社員が担当するとしても、現場営業は中国人営業マンの能力をフルに活用するべきでしよう。
中国ビジネス・コンサルタント
1981 年 一橋大学卒業 横浜銀行入行。
1984 年 北京大学に派遣留学ののち銀行北京事務所開設、初代駐在。
1988 年 海外経済協力基金 ( 現・国際協力銀行 ) 派遣出向。
2001 年 銀行を退職し、独立。著書、雑誌連載等多数。
チャイナ・インフォメーションHP ブログ
主な著書
「中国との付き合い方がマンガで 3 時間でわかる本」
「中国ビジネス<超>成功戦術 252 」
「中国投資マーケティング戦略マップ」
「中国進出失敗・トラブル事例集」
「最新版中国投資・会社設立ガイドブック」(以上、明日香出版社)
「中国ビジネスのツボ」( 重化学工業通信社 )
「仕事の中国語 速習パック」(株式会社アルク) 等 他多数
次回1月は
「Q10.自社の製品が中国では市場があるかどうか、調査をしたい。具体的にどのようにマーケティングをすすめていったらよいだろうか?」
というテーマでお送りします。
お楽しみに!